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アサヒグループ2025年第3四半期決算:システム障害と欧州の天候不順が響き「減収減益」
アサヒグループホールディングスは2026年3月10日、システム障害の影響で開示が遅れていた2025年度第3四半期の連結決算を発表しました。
全体として減収減益の厳しい着地となっています。
1. 財務ハイライト:主要指標の推移

第3四半期累計の主な経営成績は以下の通りです。
- 売上収益:2兆1,548億円(前年同期比 0.6%減)
- 事業利益:2,024億円(前年同期比 5.5%減)
- 営業利益:1,587億円(前年同期比 18.0%減)
- 親会社の所有者に帰属する四半期利益:1,028億円(前年同期比 26.2%減)
為替の影響を除いた「為替一定」ベースでも、売上収益は0.6%増と微増にとどまり、事業利益は4.6%減となりました。
2. 業績を押し下げた主な要因

今回の減益には、大きく分けて3つの要因が影響しています。
- システム障害(サイバー攻撃)の影響: 2025年9月に発生したサイバー攻撃に伴うシステム障害により、日本・東アジアセグメントで約50億円の減収、約20億円の事業利益減少要因となりました。グループ全体では、事業利益を1%程度押し下げる要因になったと報告されています。
- 欧州の天候不順: 欧州では雨天や低温の日が多く、販売数量が減少したことが売上減に響きました。
- コストと利息の増加: 人件費や海外での販促費の増加に加え、金利上昇による金融収支の悪化も最終利益を圧迫しました。
3. セグメント別の状況

- 日本・東アジア: 価格改定の効果により売上収益は1兆285億円(1.3%増)と増収でしたが、システム障害や原材料費の高騰により、事業利益は1,000億円(3.1%減)と減益でした。
- 欧州: 天候不順やポーランドの消費低迷で売上収益は5,826億円(2.2%減)となりましたが、収益構造改革や価格改定により、事業利益は918億円(2.4%増)と増益を確保しています。
- アジアパシフィック: 飲料事業は堅調でしたが、為替変動や物流費・人件費の増加が重なり、売上収益5,313億円(2.4%減)、事業利益595億円(6.2%減)となりました。
4. 今後の見通しと配当

2025年12月期の通期業績予想については、システム障害の影響を精査中としつつも、昨年8月時点の予想を据え置いています。
- 通期売上収益予想:2兆9,500億円(前期比 0.4%増)
- 通期最終利益予想:1,675億円(前期比 12.8%減)
- 年間配当予想:1株当たり52円
今回の決算は、予期せぬシステム障害や気候変動といった外部環境の影響を大きく受けた内容となりました。
今後、システム障害の最終的な影響額がどのように精査されるかが注目のポイントとなりそうです。