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こんにちは、あひるです🐤
以前、配当利回り約47%のクリプトETF「CEPI(REX Crypto Equity Premium Income ETF)」を分析した際、設定来の実測データから「厳密な意味でのタコ足ではなさそう」という結論をお伝えしました。ただ記事の最後で「分配金が配当としての実質利益か、資本の取り崩し(タコ足)かは、ファンドの公式開示(19a-1通知)を見るとさらに細かく検証できる」とお話ししたので、今回はその公式開示を実際に1枚ずつ確認してみました。
結果は、正直「あひる自身も意外だった」内容です。順番に見ていきましょう。
それでは、Let's go 🚀
そもそも「19a-1通知」って何?
米国の連邦証券法では、ファンドが分配金を「純投資収益(Net Investment Income)」以外の源泉から出す場合、その内訳を投資家に開示することが義務付けられています。この開示文書が「Section 19(a)通知(19a-1通知)」です。分配金は次の3つの源泉に分類されます。
- Net Investment Income(NII): 保有資産から得た配当・金利などの純投資収益
- Net Realized Capital Gains: 保有資産を売却して確定した利益
- Return of Capital(ROC・資本の返還): 上記2つに当たらない分配。会計上は「投資家自身が出したお金を返している」という分類
「ROC(資本の返還)って、つまりタコ足ってことだよね?」
結論を先に言うと「半分正解・半分早とちり」です。CEPIのようなカバードコール(オプション売り)戦略のETFは、オプションのプレミアム収入が税務上のNIIに当たらないケースが多く、経済的には実質的な収益でも会計上は「ROC」に分類されることが知られています。つまりROC=即「資産が削られている」ではなく、まずは数字で実態を確認する必要があるんです。
実測:運用開始から直近まで、すべて「100% ROC」
REX Shares公式サイトが公開している19a-1通知を、運用開始(2024年12月)から直近まで1枚ずつ確認しました。結果は次の通りです。
| 支払日 | 1株当たり分配金 | NII | 実現キャピタルゲイン | Return of Capital |
|---|---|---|---|---|
| 2025/1/29 | $1.70 | $0(0%) | $0(0%) | $1.70(100%) |
| 2025/4/30 | $1.33 | $0(0%) | $0(0%) | $1.33(100%) |
| 2025/7/30 | $1.46 | $0(0%) | $0(0%) | $1.46(100%) |
| 2025/10/29 | $1.50 | $0(0%) | $0(0%) | $1.50(100%) |
| 2025/12/24 | $1.23 | $0(0%) | $0(0%) | $1.23(100%) |
| 2026/1/29 | $1.25 | $0(0%) | $0(0%) | $1.25(100%) |
| 2026/5/28(週次化後) | $0.2784 | $0(0%) | $0(0%) | $0.2784(100%) |
表は代表的な回を抜粋したものですが、確認できたすべての通知(2025年1月〜2026年5月、運用開始から直近まで)で例外なく「Net Investment Income 0%・実現キャピタルゲイン 0%・Return of Capital 100%」という結果でした。1回も収益分配(NIIや実現益)が発生していません。これは公式サイトの最新表示(2026年6月16日時点)でも同じく「現在の分配は100%が推定Return of Capital」と明記されています。
出典:REX Shares公式サイト(CEPI) / 19a-1通知 PDF(いずれも金額・割合は会計上の見積もりであり、確定値は翌年のForm 1099-DIVで確定)
じゃあ、本当にタコ足? 株価下落額と比較してわかったこと
ここで前回記事の実測データと組み合わせます。「会計上100% ROC」という事実だけ見ると不安になりますが、ROCの金額が、実際の株価下落額とどれだけ対応しているかを比べることで、実態が見えてきます。
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| 設定来の株価変化 | $51.13 → $35.22(−$15.91、−31.1%) |
| 設定来の分配金合計(公式分類:100% ROC) | $22.825 |
| ROC合計 ÷ 株価下落額 | 約1.4倍 |
| ROC合計 ÷ 分配金合計 | 100% |
ROCが株価下落額より大きいって、どういうこと?
「会計上のROC」が、純粋に投資家の出したお金を取り崩しているだけなら、ROCの合計額と株価の下落額はほぼ一致するはずです。ところが実際は、ROC合計($22.825)が株価下落額($15.91)の約1.4倍あります。つまり、株価が下がった分以上の金額が分配されている=オプション戦略自体が生み出した実質的な価値の一部が、税務上の都合で「ROC」に分類されている可能性が高い、ということです。前回記事の「トータルリターン+13.5%(年率約8.6%)」という実測結果とも整合します。
結論として、CEPIは「会計上の分類は100% ROC」だが「経済的な実態としては完全な資産の取り崩しではない」というのが実測からの答えです。ただし誤解しないでいただきたいのは、これは「だから安心」という意味ではありません。株価そのものは設定来で−31.1%下落しており、「配当利回り47%」を生活費などに使い切ってしまえば、見た目の利回りほど資産は増えていきません。「会計上のラベル」と「資産が実際に増えているか」は、別の軸で見る必要がある、というのが今回の検証の結論です。
⚠️ 投資家が注意すべきリスク
- ROC分類は「確定」ではなく「見積もり」: 19a-1通知に記載される金額・割合はあくまで会計上の見積もりです。実際の税務上の分類はファンドの会計年度終了後にForm 1099-DIVで確定し、今回の「100%」という比率も将来的に変わる可能性があります。
- 株価(NAV)は実際に下落している: 会計分類とは別に、CEPIの株価は設定来で−31.1%下落しているという事実は変わりません。分配金を受け取って終わりではなく、株価の推移も合わせて確認する必要があります。
- 市況悪化でROCの「質」が変わるリスク: 現在はROC合計が株価下落額を上回っている(=実質的な価値が分配されている)状態ですが、クリプト市場が長期低迷すればオプションプレミアムが縮小し、純粋な資産の取り崩しに近づく可能性があります。
🎯 総合判断:あひるはどうする?
私の判断は、「会計ラベルだけで判断せず、株価とセットで見るべきETF」です。
CEPIの基本的な仕組みや5軸評価、テクニカル分析については、こちらの記事で詳しくまとめています。購入を具体的に検討する場合は、まずそちらをご覧ください。
⚠️ ご注意: 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・ETFへの投資を推奨するものではありません。19a-1通知の数値は会計上の見積もりであり、確定値ではありません。CEPIは仮想通貨関連株×オプション戦略という高リスク商品です。投資は必ず余剰資金(生活費・緊急資金を除いた「なくなっても困らないお金」)で行ってください。まずはオールカントリーや S&P500 などのインデックスファンドをコアに積み立てること。その上で「もう少し積極的に動かしてみたい」という気持ちが出てきたときに、少額から試してみてください。投資判断は最終的にご自身でお願いします。
CEPI のような米国上場 ETF は、国内のネット証券から円貨/外貨で購入できます。たとえば松井証券の米国株取引は業界最安水準の手数料で、1株から少額で試せるので、高配当 ETF をポートフォリオに少しだけ組み込みたい人にも始めやすい選択肢です。
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