資産運用 銘柄分析

CEPIの分配金は配当?タコ足?公式データで確認してみた

2026年6月23日

追記(2026年8月9日)

CEPIの分配金 全27回の実績(2025年1月〜2026年8月)と、週次化後の最新利回りを追加しました。「1回いくら?」「いつ支払われる?」を先に確認したい方は、こちらの章からどうぞ。あわせて設定来の株価・分配金の数値を最新(2026年8月7日時点)へ更新しています(本文中の−31.1%・$22.825は2026年6月時点の値です)。

こんにちは、あひるです🐤

以前、配当利回り約47%のクリプトETF「CEPI(REX Crypto Equity Premium Income ETF)」を分析した際、設定来の実測データから「厳密な意味でのタコ足ではなさそう」という結論をお伝えしました。ただ記事の最後で「分配金が配当としての実質利益か、資本の取り崩し(タコ足)かは、ファンドの公式開示(19a-1通知)を見るとさらに細かく検証できる」とお話ししたので、今回はその公式開示を実際に1枚ずつ確認してみました。

結果は、正直「あひる自身も意外だった」内容です。順番に見ていきましょう。

それでは、Let's go 🚀


💰【2026-08-09追記】CEPIの分配金はいくら?全27回の支払い実績と最新利回り

「結局いくらもらえるの?」「いつ支払われるの?」——ここが一番気になるところだと思うので、まず実績を全部並べます。運用開始(2024年12月)から直近(2026年8月5日)までの全27回を実測しました。

① 月次だった時期(2025年1月〜2026年4月・全16回)

権利落ち日1株当たり分配金権利落ち日1株当たり分配金
2025/1/28$1.6982025/9/23$1.439
2025/2/25$1.5782025/10/28$1.496
2025/3/25$1.4592025/11/26$1.228
2025/4/29$1.3292025/12/23$1.233
2025/5/29$1.3882026/1/27$1.252
2025/6/24$1.3802026/2/24$1.114
2025/7/29$1.4562026/3/24$1.064
2025/8/26$1.4142026/4/28$1.171

② 週次に変わってから(2026年5月27日〜・全11回)

権利落ち日1株当たり分配金権利落ち日1株当たり分配金
2026/5/27$0.2782026/7/8$0.269
2026/6/3$0.2882026/7/15$0.259
2026/6/10$0.2762026/7/22$0.257
2026/6/17$0.2842026/7/29$0.254
2026/6/24$0.2842026/8/5$0.255
2026/7/1$0.273

出典:分配金・株価はいずれも実測値(2026年8月7日時点)。日付は権利落ち日ベースのため、本記事の他の表(支払日ベース)とは1日前後ずれます。

③ 支払い頻度は「月1回」から「週1回」へ変わりました

2026年5月27日を境に、CEPIの分配は月1回から週1回へ変わりました。それ以降の11回はすべてきっちり7日間隔です。1回あたりの金額が「$1.17 → $0.26」と一気に小さくなって見えるのはこのためで、減配ではなく分割されただけです。週次の$0.26を月換算すると約$1.1で、直前の月次(2026年4月)$1.171とほぼ同じ水準に収まります。

④ 最新の利回りと、設定来の通算成績

項目実測値(2026年8月7日時点)
直近の株価$31.35
直近12か月の分配金合計$14.388
TTM利回り(直近12か月ベース)45.9%
設定来の株価変化$51.13 → $31.35(−38.7%
設定来の分配金合計(全27回)$24.676
2025年の年間合計(12回)$17.098
2026年の合計(8/5まで・15回)$7.578

利回り45.9%の読み方

この45.9%という数字は、本記事で検証しているとおり中身が100% ROC(資本の返還)と分類されている分配金を、そのまま株価で割ったものです。一般的な株の配当利回りと同じ感覚で比べられる数字ではありません。実際、同じ期間に株価は−38.7%下がっています。「利回り」と「資産が増えたか」は別の話——それがこの記事の一番の結論です。

⑤ 結論はどう変わったか:余裕は「1.4倍」から「1.25倍」へ縮みました

この記事のもともとの結論は「ROCの合計額が株価の下落額を上回っているので、完全な資産の取り崩しではない」というものでした。最新データで計算し直すと、次のようになります。

項目2026年6月時点(本文の記載)2026年8月7日時点(最新)
設定来の株価下落額−$15.91(−31.1%)−$19.78(−38.7%)
設定来の分配金合計(100% ROC)$22.825$24.676
ROC合計 ÷ 株価下落額約1.4倍約1.25倍

結論そのものは変わりません——分配金の合計はいまも株価の下落額を上回っており、単なる資産の取り崩しではない、という見立ては維持されます。ただしその余裕は1.4倍から1.25倍へ縮んでいます。これは本記事の「投資家が注意すべきリスク」で挙げた「市況が悪化すればROCの質が変わる」が、実際に少しずつ進行しているということです。この倍率が1倍を割り込んだら、その時は本当に「タコ足」に近づいたというサインになります。今後も定点観測して更新します。


そもそも「19a-1通知」って何?

米国の連邦証券法では、ファンドが分配金を「純投資収益(Net Investment Income)」以外の源泉から出す場合、その内訳を投資家に開示することが義務付けられています。この開示文書が「Section 19(a)通知(19a-1通知)」です。分配金は次の3つの源泉に分類されます。

  • Net Investment Income(NII): 保有資産から得た配当・金利などの純投資収益
  • Net Realized Capital Gains: 保有資産を売却して確定した利益
  • Return of Capital(ROC・資本の返還): 上記2つに当たらない分配。会計上は「投資家自身が出したお金を返している」という分類
悩める人

「ROC(資本の返還)って、つまりタコ足ってことだよね?」

結論を先に言うと「半分正解・半分早とちり」です。CEPIのようなカバードコール(オプション売り)戦略のETFは、オプションのプレミアム収入が税務上のNIIに当たらないケースが多く、経済的には実質的な収益でも会計上は「ROC」に分類されることが知られています。つまりROC=即「資産が削られている」ではなく、まずは数字で実態を確認する必要があるんです。

あひる

実測:運用開始から直近まで、すべて「100% ROC」

REX Shares公式サイトが公開している19a-1通知を、運用開始(2024年12月)から直近まで1枚ずつ確認しました。結果は次の通りです。

支払日1株当たり分配金NII実現キャピタルゲインReturn of Capital
2025/1/29$1.70$0(0%)$0(0%)$1.70(100%)
2025/4/30$1.33$0(0%)$0(0%)$1.33(100%)
2025/7/30$1.46$0(0%)$0(0%)$1.46(100%)
2025/10/29$1.50$0(0%)$0(0%)$1.50(100%)
2025/12/24$1.23$0(0%)$0(0%)$1.23(100%)
2026/1/29$1.25$0(0%)$0(0%)$1.25(100%)
2026/5/28(週次化後)$0.2784$0(0%)$0(0%)$0.2784(100%)

※この表は代表的な回の抜粋です。全27回の一覧と最新の実績は「CEPIの分配金はいくら?」の章にまとめています。

表は代表的な回を抜粋したものですが、確認できたすべての通知(2025年1月〜2026年5月、運用開始から直近まで)で例外なく「Net Investment Income 0%・実現キャピタルゲイン 0%・Return of Capital 100%」という結果でした。1回も収益分配(NIIや実現益)が発生していません。これは公式サイトの最新表示(2026年6月16日時点)でも同じく「現在の分配は100%が推定Return of Capital」と明記されています。

出典:REX Shares公式サイト(CEPI) / 19a-1通知 PDF(いずれも金額・割合は会計上の見積もりであり、確定値は翌年のForm 1099-DIVで確定)


じゃあ、本当にタコ足? 株価下落額と比較してわかったこと

ここで前回記事の実測データと組み合わせます。「会計上100% ROC」という事実だけ見ると不安になりますが、ROCの金額が、実際の株価下落額とどれだけ対応しているかを比べることで、実態が見えてきます。

項目実測値
設定来の株価変化$51.13 → $35.22(−$15.91、−31.1%)
設定来の分配金合計(公式分類:100% ROC)$22.825
ROC合計 ÷ 株価下落額約1.4倍
ROC合計 ÷ 分配金合計100%

※本節の数値は2026年6月時点のものです。最新(2026年8月7日時点)では株価下落額−$19.78・分配金合計$24.676・倍率は約1.25倍に変化しています(最新データの章を参照)。

悩める人

ROCが株価下落額より大きいって、どういうこと?

「会計上のROC」が、純粋に投資家の出したお金を取り崩しているだけなら、ROCの合計額と株価の下落額はほぼ一致するはずです。ところが実際は、ROC合計($22.825)が株価下落額($15.91)の約1.4倍あります。つまり、株価が下がった分以上の金額が分配されている=オプション戦略自体が生み出した実質的な価値の一部が、税務上の都合で「ROC」に分類されている可能性が高い、ということです。前回記事の「トータルリターン+13.5%(年率約8.6%)」という実測結果とも整合します。

あひる

結論として、CEPIは「会計上の分類は100% ROC」だが「経済的な実態としては完全な資産の取り崩しではない」というのが実測からの答えです。ただし誤解しないでいただきたいのは、これは「だから安心」という意味ではありません。株価そのものは設定来で−31.1%下落しており、「配当利回り47%」を生活費などに使い切ってしまえば、見た目の利回りほど資産は増えていきません。「会計上のラベル」と「資産が実際に増えているか」は、別の軸で見る必要がある、というのが今回の検証の結論です。


⚠️ 投資家が注意すべきリスク

  • ROC分類は「確定」ではなく「見積もり」: 19a-1通知に記載される金額・割合はあくまで会計上の見積もりです。実際の税務上の分類はファンドの会計年度終了後にForm 1099-DIVで確定し、今回の「100%」という比率も将来的に変わる可能性があります。
  • 株価(NAV)は実際に下落している: 会計分類とは別に、CEPIの株価は設定来で−31.1%下落しているという事実は変わりません。分配金を受け取って終わりではなく、株価の推移も合わせて確認する必要があります。
  • 市況悪化でROCの「質」が変わるリスク: 現在はROC合計が株価下落額を上回っている(=実質的な価値が分配されている)状態ですが、クリプト市場が長期低迷すればオプションプレミアムが縮小し、純粋な資産の取り崩しに近づく可能性があります。

🎯 総合判断:あひるはどうする?

私の判断は、「会計ラベルだけで判断せず、株価とセットで見るべきETF」です。

まとめ

  1. 運用開始から直近まで、確認できたすべての19a-1通知で分配金は100% Return of Capitalと推定されている。NII・実現益は一度も発生していない。
  2. ただしROC合計($22.825)は株価下落額($15.91)の約1.4倍あり、「会計上のROC」=「資産の完全な取り崩し」ではないことが数字で確認できた。
  3. とはいえ株価は設定来で−31.1%下落している事実は変わらない。「配当利回り47%」という見た目の数字を生活費に使い切ると資産は増えない。会計ラベルと株価の両方を見る習慣が必須。

CEPIの基本的な仕組みや5軸評価、テクニカル分析については、こちらの記事で詳しくまとめています。購入を具体的に検討する場合は、まずそちらをご覧ください。

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⚠️ ご注意: 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・ETFへの投資を推奨するものではありません。19a-1通知の数値は会計上の見積もりであり、確定値ではありません。CEPIは仮想通貨関連株×オプション戦略という高リスク商品です。投資は必ず余剰資金(生活費・緊急資金を除いた「なくなっても困らないお金」)で行ってください。まずはオールカントリーや S&P500 などのインデックスファンドをコアに積み立てること。その上で「もう少し積極的に動かしてみたい」という気持ちが出てきたときに、少額から試してみてください。投資判断は最終的にご自身でお願いします。


CEPI のような米国上場 ETF は、国内のネット証券から円貨/外貨で購入できます。たとえば松井証券の米国株取引は業界最安水準の手数料で、1株から少額で試せるので、高配当 ETF をポートフォリオに少しだけ組み込みたい人にも始めやすい選択肢です。

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