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配当利回りが40%を超えるETF「CEPI」を、私は2025年7月末に買いました。理由は、分配金が高かったから。それだけです。
そして2026年8月現在、証券口座にはマイナス23.3%という含み損の数字が表示されています。
「利回り47%につられて買ったら、−23%になっていました…もう損切りするしかないのでしょうか?」
その判断、画面の数字だけで決めると間違えます。CEPIは分配金の割合が桁違いに大きいので、証券口座に表示される含み損は実態より悪く見えるんです。まずは受け取った分配金を足した「通算」で数え直すところから始めましょう。
口座には−23.3%と出ている。でも、CEPIではこの数字が実態を表さない
先に言ってしまうと、この記事はCEPIの含み損を「乗り越えた話」ではありません。CEPIのように分配金の割合が極端に大きいETFでは、証券口座に表示される含み損の%が、実態と大きくズレることがあります。そのズレの正体と、自分がいまどちらの状態にいるかを数える方法を、この記事で書きます。
「CEPIは危険なのか」「やめとけと言われるのも分かる気がする」——そう思う方への答えは、イエスです。値動きの荒さは設計そのもの(仮想通貨関連株にオプション戦略を組み合わせた商品性)で、短期間で株価が大きく崩れる、いわゆる暴落に近い値動きも起こり得ます。実際、私自身この1年で株価が2割超下がりました。だから、余剰資金でサテライトとして数%以内という立場は変えません。そのうえで本記事が扱うのは「危ないかどうか」ではなく、すでに下がった後、何を見て判断するかです。
CEPIそのものの仕組みや設定来の成績は、この記事の後半で紹介する別記事にまとめています。この記事が向いているのは、CEPIをすでに保有していて含み損の表示に不安がある方、あるいは購入を検討していて「下がったらどうなるか」を先に知っておきたい方です。
画面の−23.3%と、通算の+1.6%
数字から出します。すべて2026年8月11日終値時点、私自身の保有実績です(保有株数や金額は伏せ、割合のみ記載します)。
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| 取得単価 | 40.58ドル(2025年7月30日) |
| 現在の株価 | 31.12ドル(2026年8月11日終値) |
| 株価の損益 | −23.3% |
| 取得後に受け取った分配金 | 20回・1株あたり14.388ドル |
| 取得単価に対する分配金(税引前) | +35.5% |
| 同(税引後・実際の入金額から逆算) | 約 +25.0% |
| 通算(株価+分配金・税引後) | 約 +1.6% |
ここが、CEPIの含み損を語るときに落としてはいけない点です。株価だけを見れば2割超のマイナスですが、1年間受け取り続けた分配金を足すと、通算はプラスに乗っています。
証券口座のアプリを開くと表示されるのは「−23.3%」という数字だけです。分配金は受け取った時点で別の場所に入っているので、含み損の表示とは合算されません。つまり、画面に出ている数字は実態より悪く見えています。
ただし、この通算・約+1.6%はごく薄いプラスです。株価が数%動くだけでマイナスへ戻る水準で、「通算がプラスだから安心」という話ではありません。この記事で伝えたいのはプラスかマイナスかという結果ではなく、画面の数字ではなく通算で見るという見方そのものです。
なお、分配金の「中身」(利益から出ているのか、元本の払い戻しなのか)は、それ自体で1本の記事になるテーマなので、本記事では扱いません。ただし、含み損は通算で見るべきだという話は、分配金の会計上のラベルとは独立に成立します。
なぜCEPIだけズレがここまで大きいのか
含み損の表示と実態がズレるのは、配当を出す銘柄なら程度の差はあれ、どれにでも起きることです。CEPIで問題になるのは、そのズレの桁が違うからです。
取得してから2026年8月11日までの約1年で、私が受け取った分配金は取得単価に対して+35.5%(税引前)でした。これは今後の予想ではなく、実際に受け取った金額の実績です。CEPIの分配金は設定から時間が経つにつれて縮小傾向にあり、この水準が今後も続くとは限りません。
同じことは配当利回りの高い銘柄なら多かれ少なかれ起きますが、CEPIは分配の割合が桁違いに大きいぶん、株価の含み損と分配金の間にできる差も大きくなります。
CEPIというETFそのものの成績(設定来のトータルリターンや、見た目の利回りと実質リターンの差)は、後述するピラー記事にまとめてあります。本記事が扱うのは、あなた自身の取得単価を起点にした保有実績のほうです。
では、自分がいまどちらの状態にいるかは、どう数えればよいのでしょうか。次の式で数えられます。
通算損益(%) = 株価の損益(%) + 取得後に受け取った分配金の合計 ÷ 取得単価 × 100
- 証券口座の取引履歴から、取得単価と取得日を確認する
- 取得日以降に受け取った分配金を合計する(配当金明細で確認できます。税引後の金額で数えると、手取りベースになります)
- 上の式に、①と②で確認した数字を入れる
私の場合はこの式で約+1.6%でした。ただし、これはあくまで私の取得単価・私の保有期間での数字です。取得したタイミングが違えば、あなたの数字はまったく違う値になります。まずはご自身の口座で一度、この式に数字を入れてみてください。
計算してみたら、思っていたほど悪くありませんでした。
そうなんです。ただ、大事なのは結果がプラスかどうかではなく、自分がいまどちらの状態かを知ったうえで出口を決められることです。数えないままだと、判断そのものを先送りしてしまいますから。
数えるまで、自分がどちらの状態か知らなかった
買った当時を振り返ると、私が見ていたのは利回りの数字だけでした。
- 他の高配当ETFと比較した記録が、手元に残っていません
- 株価がどこまで下がりうるか、想定していませんでした
- 「何%下がったら、どうする」を、決めていませんでした
3つ目が、後で一番効いてきます。株価が下がっていく間に私がとっていた行動は、ナンピン買いでも損切りでもなく、口座を見ないことでした。マイナスを見るのがつらいからではありません。見ると「どうするか決めなければいけない」からです。避けていたのは損失ではなく、判断のほうでした。
そして判断を避けている間も、株価は動き続けます。数えていない限り、自分が「待てる状態」なのか「動くべき状態」なのかも分かりません。
通算で数えると、判断が変わる
2026年7月、私はようやく「この銘柄をどう終わらせるか」を決めました。きっかけは、相場でも決意でもなく、ここまでの表を作ったことでした。
受け取った分配金を足したら、通算はすでにプラスに転じていた。これが分かった瞬間に、状況の意味が変わりました。
- それまでの認識:「損切りできない」——決断できない自分の問題
- 計算後の認識:「急いで損切りする必要がない」——待てる状態にあるという事実
同じ含み損でも、この2つはまったく別物です。前者は逃げ続けるしかありませんが、後者は「では、どういう条件が来たら出るか」を落ち着いて設計できます。
含み損に固まってしまう原因は、意志の弱さではなく現在地を数えていないことなのだと思います。数えるまで、私は自分が待てる側にいることを知りませんでした。
私が決めた出口条件と、いまの判定
決めた方針は一言です。「戻ってきた局面で、全部まとめて手放す」。値下がりの底で投げ売りするのでも、永久に持ち続けるのでもなく、戻りを待って降ります。
これを機械が判定できる条件にすると、こうなります。
| 条件 | 中身 | 意味 |
|---|---|---|
| ① 戻りのサイン | 直近1か月の高値を超える または RSIが45以上 | 下げ止まって反発が始まったことの確認 |
| ② 本物かの確認 | ①に加えて、長期の平均線(200日移動平均)付近まで戻っていること | 下落途中の小さな反発で早まらないための足切り |
| ③ 保険ライン | 取得価格からマイナス25%に達したら、①②を待たず撤退 | 戻りを待っている間に傷が深くなりすぎるのを防ぐ |
①と②を両方満たすことを求めているのがポイントです。「どれか1つでも当てはまれば売り」にすると、一番緩い条件が実質のトリガーになってしまい、下落途中のちょっとした反発で降りることになります。
そして③の保険ラインが、このルールを「ただの塩漬けの言い換え」にしないための歯止めです。待つ側にも期限を切っておかないと、待つことがそのまま先送りになります。
この条件は机上のものではなく、別の米国株(ディズニー)で一度実際に作動し、全株売却まで行きました。結果は損失確定でしたが、ルールがなければ私はまだ持っていたと思います。
正直に書いておくと、この方針を決めたのは私ですが、RSI45という水準や、長期平均線からどれだけ乖離するまで許容するかといった具体的な数字は、私が緻密に設計したものではありません。家計と投資の管理を任せているAIエージェントに、この判定条件の設計・実装をしてもらいました。私が担当したのは「どう終わらせたいか」という方針の部分だけで、それは自分で決められる範囲でした。
2026年8月11日終値時点で、私のCEPIがどの位置にいるかを出します。
| 判定項目 | 現在値 | 条件 | 判定 |
|---|---|---|---|
| RSI(14日) | 44.5 | 45以上 | 未達(あと0.5) |
| 株価 | 31.12ドル | 直近1か月高値 32.79ドル超 | 未達 |
| 株価の損益 | −23.3% | 保険ライン −25% | 未到達(発動せず) |
結論は「まだ動かない」です。RSIは45まであと0.5、株価は戻りの目安に届いていない。だから今日も何もしません。
そして、これが含み損を抱えた状態で得られる一番大きな変化でした。「今日どうするか」を毎日考えなくてよくなる。条件が来たら通知が鳴るので、それまでは考えません。相場を見た回数も、迷った回数も減りました。
もし今、こういう値動きの荒い商品を「少しだけ試してみたい」と考えているなら、買う前に出口の条件を1行書いておくことをおすすめします。私は書かずに買って、1年間見ないふりをしました。1株から買える証券会社を選べば、この練習を小さい金額で試せます。
CEPIのような米国上場ETFは、国内のネット証券から購入できます。たとえば松井証券の米国株取引は業界最安水準の手数料で、1株から試せます。値動きの荒い商品ほど、まず小さく持って自分がどこまでの下落に耐えられるかを確かめておくのに向いています(NISA対象外の商品もあるため、購入前に必ずご確認ください)。
※松井証券の広告(PR)。口座開設・商品の購入は内容をご確認のうえご自身の判断で。
まとめ
いま、私はCEPIの株価をほとんど見ていません。条件が揃えば通知が来るので、それまでは考えていません。行動だけ見れば、含み損に固まっていた頃の「口座を見ないようにしていた」時期と同じです。でも中身は正反対になりました。
| ルールを決める前 | 決めた後 | |
|---|---|---|
| 行動 | 口座を見ない | 株価を見ない |
| 理由 | 見ると決断を迫られるから | 条件が来たら通知が鳴るから |
| 状態 | 判断を先送りしている | 判断を済ませてある |
| 次の行動 | 決まっていない | 決まっている(全株売却) |
含み損を抱えて苦しいとき、必要なのは相場を当てる力でも、耐える精神力でもなかった、というのが1年かけて分かったことです。必要だったのは「どうなったら、どうするか」を一度だけ決めておくこと。それさえ済ませてあれば、あとは見なくていい。
- 証券口座に出るCEPIの含み損(私の場合は−23.3%)は、分配金を含めていない数字。受け取った分配金を足した通算で見ると印象が変わる(私の場合は約+1.6%・税引後・2026年8月11日時点。ただしごく薄いプラスで、株価が数%動けば逆転する水準)
- 通算損益は「株価の損益(%) + 取得後の分配金合計 ÷ 取得単価 × 100」で、自分の口座からも計算できる
- 含み損の間、私がしていたのは口座を見ないこと。避けていたのは損失ではなく判断だった
- 動けるようになったきっかけは決意ではなく計算。通算を数えたら「急いで売る必要がない」と分かった
- 出口は「戻り局面で全株売却」。①戻りのサイン ②長期平均線付近まで回復 ③保険ラインとして−25%、の3点で判定
CEPIのように分配金の割合が極端に大きい商品では、利回りの数字は買う理由になりますが、売る理由にはなりません。買う前に、出口を1行だけ書いておくこと。そして、いま含み損を抱えているなら、まず自分の通算を数えてみること。私はその両方を、1年後にやりました。
CEPIそのものの仕組み・構成・設定来のデータについては、こちらの記事にまとめています。
⚠️ ご注意: 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・ETFへの投資を推奨するものではありません。記載した損益・分配金の実績は私個人の保有記録であり、将来の成果を約束するものではありません。CEPIは仮想通貨関連株×オプション戦略という高リスク商品で、株価・分配金とも大きく変動します。本記事の出口ルールも私個人の運用方針であり、万人に適した基準ではありません。投資は必ず余剰資金(生活費・緊急資金を除いた「なくなっても困らないお金」)で行ってください。まずはオールカントリーやS&P500などのインデックスファンドをコアに積み立てること。その上で「もう少し積極的に動かしてみたい」という気持ちが出てきたときに、少額から試してみてください。投資判断は最終的にご自身でお願いします。
出口を決めたうえで、少額から試してみたい方へ。松井証券の米国株取引なら1株から購入でき、手数料も業界最安水準です。まず1株だけ持って値動きを体感してみると、自分がどれくらいの下落まで平気なのかが分かります(NISA対象外の商品もあるため、購入前にご確認ください)。
※松井証券の広告(PR)。口座開設・商品の購入は内容をご確認のうえご自身の判断で。
