こんにちは、あひるです🐤
ビジネス映像メディア「PIVOT」の投資分析動画2本で紹介された日本株19銘柄を、株価・利回り・業績の実測データで、1銘柄ずつ確かめてみました。
動画の内容を評価する記事ではなく、紹介された銘柄を、私の物差しで数字に直して見た記録です。特に、動画で「重い経済」として紹介された7銘柄は、配当ではなく値上がり益を狙う銘柄なので、利回りとは別の見方で分析しました。
それでは、Let's go 🚀
分析の対象と、使ったデータ
対象にしたのは、PIVOT公式チャンネルの次の2本の動画で紹介された銘柄です。
- 【日経平均7万円台はまだまだ序章】藤野英人氏が断言/AI・半導体銘柄は無限に上がるのか?/三菱重工・フジクラ、ガチホの理由/国山ハセンは逆先行指標?【マネースキルセット】(PIVOT)
- 【最強の日本株】資産5億円超 ママ投資家が中長期で保有する株/初心者向け 株主還元が厚い大型株/アナリスト厳選 10倍株と高利回りが合体した夢の日本株/成り上がりたい竹内・西村興奮【ランキング超分析】(PIVOT)
- 株価・利回り・PBR・RSI: 2026年10月9日時点の値をTradingViewで取得
- 日足のチャート・移動平均・騰落率: Yahoo Financeの株価データ(配当落ちを調整しない実際の終値)から計算
- 業績(売上・純利益・EPS): 3月期の3期分。Yahoo Financeの年次データ
- 8項目チェック: IRバンクの3期分の財務データ(1銘柄だけ実施。後述)
「重い経済」7銘柄は、値上がり益で見る
「重い経済」とは、動画1で使われている言葉で、電力設備・プラント・防衛・資源など、物理的な設備や供給網を持つ産業のことです。動画では、次の7銘柄がこのテーマで紹介されていました。
- フジクラ(5803)/三菱重工業(7011)/千代田化工建設(6366)/日揮ホールディングス(1963)
- 総合商社:三菱商事(8058)/伊藤忠商事(8001)/三井物産(8031)
配当利回りは、0%(千代田化工建設)から2.7%台(三井物産)までと低めです。買う理由は配当ではなく、株価が上がることなので、利回りで比べるのは筋違いです。そこで、次の2つで見ました。
- 業績の勢い: 売上と純利益が、3期でどう動いてきたか
- 株価の位置: 1年のチャートで、上向きか、横ばいか、下向きか
① 3期分の業績
| 銘柄 | 売上高(億円) | 純利益(億円) | EPS(円) |
|---|---|---|---|
| フジクラ | 7,998→9,794→11,824 | 510→911→1,572 | 30.8→55.1→94.9 |
| 三菱重工業 | 46,571→49,742→43,611 | 2,220→3,321→2,454 | — |
| 千代田化工建設 | 5,060→4,570→4,939 | −158→270→847 | — |
| 日揮HD | 8,326→8,581→7,453 | −78→−4→418 | −32.5→−1.7→173.1 |
| 三菱商事 | 195,676→186,176→189,160 | 9,640→9,507→8,005 | 222.4→235.8→209.8 |
| 伊藤忠商事 | 140,299→147,242→148,231 | 8,018→8,803→9,003 | 110.6→123.1→128.0 |
| 三井物産 | 133,249→146,626→139,952 | 10,637→9,003→8,340 | 360.7→306.5→290.9 |
2024年3月期→2025年3月期→2026年3月期の順です。三菱重工業と千代田化工建設のEPSは、データの表記が一定しないため載せていません。
- 増えている: フジクラ(純利益が3期で約3倍)、伊藤忠商事(2期連続で増益)、千代田化工建設・日揮HD(赤字から黒字へ)
- 直近の1期で減った: 三菱重工業、三菱商事
- 2期連続で減っている: 三井物産
② 1年のチャート
業績が伸びていても、株価がその通りに動くとは限りません。7銘柄の日足を、3枚に分けて載せます。

フジクラは、5月に7,855円まで急騰したあと、7月に3,720円まで下げ、そこから5,000〜6,000円台のレンジを切り上げてきました。200日移動平均は上向きです。三菱重工業は、3月の5,195円から6月に3,494円まで下げ、直近3か月は3,669〜4,370円のレンジで、200日移動平均が下向きです。

千代田化工建設は、2月に1,729円まで急騰したあと、630〜738円の狭いレンジが3か月続いています。業績は赤字から大きな黒字に変わっても、株価は底ばいです。日揮HDは、5月の2,863円から調整し、終値が50日・200日移動平均のどちらも下にあります。

商社3社は形が分かれました。伊藤忠商事は、9月に年初来高値の2,370円をつけたあと約9%調整していますが、50日・200日移動平均はどちらも上向きです。三菱商事と三井物産は、直近3か月はレンジで、いまは50日・200日移動平均のどちらも下にあります。
業績が良い会社なら、株価も上がるんじゃないの?
長い目ではそうなりやすいのですが、株価は業績より先に動くことがあります。千代田化工建設は赤字から大きな黒字に変わっても、株価は2月の急騰のあと底ばいです。だから、業績とチャートは両方見ておきたいところです。
上がり始めを見極める5つのチェック
値上がり益を狙う株では、「安いから」ではなく、上がり始めたことを確かめてから見る、という考え方があります。私は次の5つで確かめています。
- 高値の近くにいる: 直近3か月の高値(終値)から−15%以内で、50日・200日移動平均のどちらも上
- 急騰の直後ではない: 直近5営業日の上昇が+15%以内
- 長めの期間でも上昇している: 3か月前・6か月前の株価より、今が高い(RSIは80未満)
- 買いの勢いがある: 直近5営業日に反発した日(この記事では前日比+1%以上の日とします)があり、その日の出来高が60日平均以上
- 決算が近すぎない: 次の決算まで15日以上
2026年10月9日の終値で、7銘柄に当てはめた結果です(○が満たす、×が満たさない)。
| 銘柄 | ①高値の近く | ②急騰直後でない | ③長めの期間で上昇 | ④勢い | ⑤決算まで15日以上 | ○の数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フジクラ | ○(高値比−10.9%) | ○(−3.3%) | ○(3か月+9.6%/6か月+7.7%) | ×(10/6に+5.2%の日はあるが出来高0.92倍) | ○(11/10) | 4 |
| 伊藤忠商事 | ○(−9.1%) | ○(−0.9%) | ○(+13.9%/+3.8%) | ×(+1.0%の日が出来高0.76倍) | ○(11/4) | 4 |
| 三菱重工業 | ×(移動平均の下) | ○(−3.8%) | ×(−3.6%/−23.3%) | ×(+1.5%の日が0.84倍) | ○(11/6) | 2 |
| 三菱商事 | ×(移動平均の下) | ○(−2.1%) | ×(+4.2%/−15.1%) | ×(反発日なし) | ○(11/4) | 2 |
| 日揮HD | ×(移動平均の下) | ○(−3.8%) | ×(−7.5%/−23.0%) | ×(反発日なし) | ○(11/11) | 2 |
| 千代田化工建設 | ×(移動平均の下) | ○(−3.7%) | ×(−6.8%/−46.9%) | ×(反発日なし) | ○(11/10) | 2 |
| 三井物産 | ×(移動平均の下) | ○(−2.6%) | ×(+3.5%/−25.2%) | ×(反発日なし) | ○(11/4) | 2 |
5つすべてを満たした銘柄はなく、フジクラと伊藤忠商事の2銘柄が、④だけ足りない結果でした。この結果は、株価が動くたびに変わります。②と④は「直近5営業日」で見るため、判定は数日で入れ替わります。
フジクラは10/6に+5.2%上がった日がありましたが、出来高が60日平均の0.92倍で、④の基準(60日平均以上)に届きませんでした。上がった日があっても、出来高が伴っていなければ「買いの勢い」とは見ない、というのが④の考え方です。
利回りの数字を見たら、確かめる3点
高配当株の分析に入る前に、利回りの数字の見方を整理します。同じ会社でも、何を含めて計算するかで数字が大きく変わるからです。
たとえば、NTTの配当のみの利回りは3.11%、ソフトバンクは3.61%です(2026年10月9日時点)。優待や長期保有の特典を金額に直して足した「総合利回り」で語られると、数字はこれより大きく見えます。私は株主優待を目的に買わないので、比べるときは「配当のみの利回り」に揃えています。
③の実例が大和ハウス工業です。2026年10月1日に1→2の株式分割があり、9月28日の株価¥4,521は、10月9日には¥2,158になっていました。分割前の株価のまま計算すると、利回りも購入に必要な金額も約2倍ずれます。
19銘柄の配当利回りを並べると
配当のみの利回りで並べ直すと、次のような分布でした(2026年10月9日時点)。
| 配当利回り | 銘柄数 | 主な銘柄(実測の利回り) |
|---|---|---|
| 3.5%以上 | 7 | タウンズ 5.41%/積水ハウス 4.32%/大和ハウス工業 4.29%/JT 3.82%/パンチ工業 3.70%/AGC 3.62%/ソフトバンク 3.61% |
| 2%〜3.5%未満 | 9 | 武田薬品工業 3.47%/NTT 3.11%/東京海上HD 3.02%/ウェルネス・コミュニケーションズ 2.94%/三井物産 2.73%/三菱商事 2.55%/日揮HD 2.43%/ランディックス 2.34%/伊藤忠商事 2.06% |
| 1%未満 | 3 | フジクラ 0.73%/三菱重工業 0.73%/千代田化工建設 0.00% |
利回りが1%未満の3銘柄は、いずれも前の章の「重い経済」です。配当で長く持つ株と、値上がり益を狙う株は、買う理由も見るべき数字も別物なので、一覧表の中でごちゃ混ぜにならないよう、先に仕分けておく必要があります。
高配当株に、8項目チェックを当てはめてみた
配当で選ぶ株は、チャートより配当を出し続けられる体力を見ます。利回り3.5%以上の7銘柄から、例としてJT(日本たばこ産業)を取り上げます。IRバンクの3期分の数字で、8項目チェックを当てはめました。
| チェック項目 | 判定 | データのポイント |
|---|---|---|
| ① 売上高 | ○ | 3.47兆円 |
| ② EPS(1株利益) | △ | 271.7円→101.0円→287.4円と、中間の期に大きく落ちている |
| ③ 営業利益率 | ○ | 25.0% |
| ④ 自己資本比率 | △ | 48.5% |
| ⑤ 営業活動によるCF | △ | 5,663億円→6,300億円→5,141億円と、直近で減少 |
| ⑥ 現金等 | △ | 1.04兆円→1.08兆円→0.83兆円と、直近で減少 |
| ⑦ 1株当たりの配当 | ○ | 194円→194円→234円(2026年予想は272円) |
| ⑧ 配当性向 | × | 81.4%(2026年予想でも約75%) |
結果は8項目中3項目(○3・△4・×1)です。今回の確認で一つの目安にした「8項目中5項目以上」には届きませんでした。いちばん気になるのは⑧の配当性向で、利益の8割以上を配当に回している計算になります。
なお、②でEPSが101.0円に落ち込んだ期の原因は、決算短信まで確認できていません。一過性の要因かどうかは断定せず、「未確認」のままにしています。次の決算発表は10月29日です。
利回りは3.82%もあるのに、チェックは3項目なの?
そうなんです。高い利回りは、配当を出し続けられる体力があって初めて意味を持ちます。配当性向が高いと、業績が少し落ちただけで配当の余裕がなくなるからです。利回りの数字だけで決めないための8項目です。
紹介された銘柄を、数字で確かめる5つのポイント
今回の分析で、実際に役立った確認を、順番にまとめます。
- 社名とコードを照合する: 社名で引き直して、コードが別の会社になっていないかを見る
- 株式分割の有無を調べる: 直近で分割があれば、過去の株価や配当は分割後の数字に直して比べる
- 利回りの定義を揃える: 配当のみか、優待込みか、実績か、予想かを確認する
- 目的別に仕分ける: 配当で長く持つ株と、値上がりを狙う株を、同じ物差しで見ない
- 3期分の業績とチャートの両方を見る: 利益・営業CF・現金・配当性向に加え、1年の値動きも確認する
🎯 まとめ
動画で紹介された銘柄を知るのは、入り口としてとても便利です。ただ、目的(配当か、値上がり益か)を決めて、それに合う数字で確かめると、同じ銘柄でも見え方が変わります。この記事が、その参考になれば幸いです。
⚠️ 免責事項: 本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した数字は2026年10月9日時点のものです。筆者が本記事で取り上げた銘柄に投資している場合があります。投資判断は自己責任でお願いいたします。