子育て 資産運用

投資番付は早めに現金化が勝ち?1000回シミュレーション

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この記事は、こんな方におすすめです👇

  • ボードゲーム「投資番付」で、どう遊べば勝ちやすいのか知りたい方
  • 「資産はいつ現金に替えるのがいいの?」を、親子で一緒に考えたい方
  • プログラムでシミュレーションをすると何が分かるのか、実例で見たい方

こんにちは、あひるです🐤

先日、家族でボードゲーム「投資番付」を遊んだ体験記を書きました。わが家でいちばん学びになったのは、夢を買うために、育てた資産を現金に替える「割り切り」でした。

では、その「替える時期」は、早いほうがいいのか、ぎりぎりまで持っていたほうがいいのか。今回は、ゲームのルールをプログラムで再現して、条件ごとに1,000回ずつ遊ばせて確かめてみました。

この記事の結論

① 夢の値段ぶんの資産がたまったら、すぐ現金に替える人の勝率は31.9%(4人戦なので、互角なら25%)
② 投資券を売らずに持ち続ける人の勝率は6.6%。差は約25ポイントで、偶然とは考えにくい差でした
③ 2人とも資産が夢の値段に届く時期は同じ。今回の記録から見える主な違いは「夢のマスを通った時に、現金があるかどうか」でした

ただし、これは「相手がこういう遊び方をする3人」という条件での数字です。必勝法ではありません。どんな条件で回したかも、このあと全部書きます。


投資番付とは?「早く現金に替える」の意味

「投資番付」は、メガハウスのボードゲームです。金・株・暗号資産に投資して資産を増やし、自分の「夢」を2つ、いちばん早くかなえた人が勝ちになります。

  • はじめの手持ちは現金500万円と、金・株・暗号資産が1枚ずつ
  • 夢は、5,000万円のもの1つと、3,000万円のもの1つ。合わせて8,000万円が必要
  • 夢は、盤面のその夢のマスを通る時に、現金で払って買う(その場で投資券は売れない)
  • 投資券の売り買いは、1周(全員が1回ずつ進む)に1回だけ
投資番付の流れの図。金・株・暗号資産で資産を増やし、投資券を売って現金に替え、夢のマスを通る時に現金で払う。夢2つをそろえたら勝ち。現金が足りないと素通りになる

投資番付の流れ。夢は、資産ではなく現金でしか買えない

つまり、資産を増やすだけでは夢は買えません。夢のマスを通る時に、手元に現金がなければ素通りになります。ここが、このゲームのおもしろいところです。

そこで今回は、「いつ現金に替え始めるか」を比べました。替え始める合図をkという数字で決めます。

遊び方現金に替え始める合図
k=1.0(早めに替える人)総資産が、次に買う夢の値段に届いたら
k=1.5総資産が、夢の値段の1.5倍に届いたら
k=2.0総資産が、夢の値段の2倍に届いたら
k=3.0総資産が、夢の値段の3倍に届いたら
最後まで持つ人夢の値段に届いたら新しく買うのはやめるが、投資券は売らない
現金に替え始める合図kのイメージ図。総資産が次に買う夢の値段の1.0倍、1.5倍、2.0倍、3.0倍に届いた点で、それぞれの人が現金に替え始める

合図kのイメージ図(線の形は説明用の例)。「次に買う夢」は、まだ買っていない夢のうち、盤面で先に通るほう

合図が来たら、売り買いの時に「夢の値段ぶんの現金」になるまで投資券を売ります。遊んだ時の様子は、こちらの体験記に書いています。

家族で遊んだ体験記

1,000回シミュレーションのやり方と、置いた仮定

ゲームの数字は、公式の取扱説明書と、手元の実物(盤面・カード)から書き写しました。盤面の外周44マス、景気が変わる3つのコース、ハプニングカード10枚、株主優待券5枚を、そのままプログラムに入れています。

  • 4人で遊ぶ。1人が「試す遊び方」、残り3人は全員「資産を金・株・暗号資産に均等に持ち、k=1.5で替える人」
  • 試す人の座席(最初に動く親かどうか)は、ゲームごとにランダム
  • 遊び方ごとに1,000ゲーム。乱数の種を固定しているので、もう一度回しても同じ結果になる
  • 結果を見る前に「早めに替える人」と「最後まで持つ人」を主に比べると決め、差の95%の幅が0をまたがなければ「差あり」と書くことにした

説明書に書かれていないところは、次のように仮定しました。

  • サイコロは1〜12が同じ確率で出る(色サイコロの赤と青が3面ずつと見た)
  • 夢は全員「5,000万円+3,000万円」の2つ。1億円の「大富豪」は選ばない
  • 保険は全員同じ使い方(300万円の配当マスで買い、決算で1,000万円で売る。お金を失うカードを引いたら使う)
  • FX投資チャレンジには賭けない(1〜6で全額没収、7〜12で2倍なので、損得の平均はゼロ)
  • 景気変動シートは、コースの入口に切り替えの表が重なる向きで置く

念のための検算として、試す人に相手と同じ遊び方(k=1.5)をさせると、勝率は26.1%でした。4人が同じ遊び方なら25%になるはずなので、プログラムに大きな偏りはないと見ています。


結果:早く替えるほど勝率が高かった

投資番付のシミュレーションで、現金に替え始める合図ごとの勝率を比べたグラフ。早めに替える人は31.9%、最後まで持つ人は6.6%

替え始める合図ごとの勝率(各1,000ゲーム・横線は95%の幅)

遊び方勝率(95%の幅)
k=1.0(早めに替える人)31.9%(±2.9)
k=1.5(相手と同じ)26.1%(±2.7)
k=2.015.7%(±2.3)
k=3.06.8%(±1.6)
最後まで持つ人6.6%(±1.5)

替え始める合図が遅くなるほど、勝率は段々に下がりました。「早めに替える人」と「最後まで持つ人」の差は25.3ポイントで、差の95%の幅は22.0〜28.6ポイントです。0をまたがないので、事前に決めた基準で「差あり」です。

悩める人

資産はたくさんあったほうが有利な気がするけど、なんで持ち続ける人のほうが負けるの?

それを確かめるために、夢を買うまでの流れも記録してみました。次で見ていきます。

あひる

なぜ早く替えると勝ちやすいのか

「早めに替える人」と「最後まで持つ人」を、ラウンド(全員が1回ずつ進む単位)で比べました。ラウンドの数字は真ん中の値(中央値)で、それぞれ「そのことが起きたゲーム」だけで数えています。

早めに替える人最後まで持つ人
総資産が夢の値段に届いたラウンド8ラウンド目8ラウンド目
1つ目の夢を買えたゲーム(1,000ゲーム中)926ゲーム(92.6%)498ゲーム(49.8%)
1つ目の夢を買えたラウンド(買えたゲームだけ)10ラウンド目15ラウンド目
夢のマスに着いたのに、現金が足りず買えなかった回数(1ゲームの平均)3.1回4.7回

2人とも、総資産が夢の値段に届く時期(中央値)は同じ8ラウンド目でした。

違いが出るのは、そのあとです。早めに替える人は、次の売り買いで現金にしておくので、夢のマスを通った時にそのまま買えます。最後まで持つ人は、現金がたまるのを待つ間に夢のマスを素通りしてしまい、半分のゲームで1つ目の夢すら買えずに終わっていました。買えたゲームだけで比べても、1つ目の夢を買うまでに5ラウンド多くかかっていました。

現金に替え始めてから1つ目の夢を買うまでのラウンド数を比べた箱ひげ図。早めに替える人は中央値2ラウンド、最後まで持つ人は8ラウンド

替え始めてから1つ目の夢を買うまでのラウンド数(替え始めた後に夢を買えたゲームだけ:早めに替える人926ゲーム・最後まで持つ人495ゲーム)

盤面を1周するのは、およそ7ラウンドです。5ラウンドの遅れは、1周の大半にあたります。その間に、ほかの人が先に夢2つをそろえてしまう、というのが今回の記録から見える流れです。


この結果で言えないこと

  • 必勝法ではない:相手3人が「均等に持ち、k=1.5で替える人」の時の数字です。相手の遊び方が変われば、結果も変わりえます
  • 現実の投資の話ではない:投資番付のレートの動きと、夢の値段の設計から出た結果です。実際の株や金を「早く売るほうが得」という意味ではありません。ゲームの結果から現実の売り時は言えません。現実に持ち帰れる考え方は、次の章に分けました
  • 仮定が入っている:サイコロの面の数や景気変動シートの向きなど、説明書から読み取れないところは仮定しています

この結果から、現実のお金で考えられること

ここからは、ゲームの結果から、わたしが現実のお金について考えたことです。投資の助言ではなく、「いつ売ると得か」はこの結果からは言えません。

  • 貯めるだけでは、夢は買えない:最後まで持つ人(資産を育てて持つだけで、使う準備をしない人)も、総資産が夢の値段に届いた時期(中央値で8ラウンド目)は、早めに替える人と同じでした。それでも、夢のマスに着いたのに現金が足りず買えなかった回数は1ゲーム平均4.7回(早めに替える人は3.1回)で、1,000ゲームの半分では1つ目の夢すら買えずに終わりました。現実でも、「老後のために」と貯めるだけになっていると、使いどきに使えないまま過ぎてしまうことがあると思います。この点は、わが家で遊んだ時の学びとも同じでした
  • 現実は、同じマスに戻れない:ゲームなら、夢のマスを素通りしても、およそ7ラウンドで盤面を1周して、また同じマスに来られます。現実はそうはいきません。年齢を重ねたり、子どもが成長したりして、「その時だからできること」の時期は過ぎていきます。一度通り過ぎたマスには、戻ってこられません
  • 貯めるのも、使うのも大事:将来のために貯めることは大事です。そのうえで、貯めたお金を使ってこそかなう夢もあります。貯めることと、使いどきに使うことの両方を考えておきたいと思います

親子で話すなら、「わが家の夢のマスは、いつ・どこにあるだろう?」という問いから始めると、ゲームの話が現実のお金につながります。実際にゲームで比べてみるなら、次のやり方があります。


家族で遊ぶ時に試してみる

親子で遊ぶ時に、「夢の値段ぶんたまったら現金にしておく人」と「ぎりぎりまで持つ人」に分かれてみると、どちらが先に夢を買えるか、その場で比べられます。投資番付(対象年齢8歳以上・2〜4人)は、各ショップで今の価格を見比べられます👇

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補足:資産の持ち方でも差は出た?

参考として、替える合図をk=1.5にそろえ、資産の持ち方だけを変えた結果も1,000回ずつ回しました。勝率は、株を多めに持つ人が38.6%、均等に持つ人が26.1%、金を多めに持つ人が24.1%、暗号資産を多めに持つ人が11.0%でした。暗号資産は値動きが大きく、下の端まで落ちると全員の券が没収される「取引停止」があるためと見ています。主題とは別の比べ方なので、ここでは参考にとどめます。


まとめ

まとめ

① 投資番付を1,000回ずつシミュレーションすると、夢の値段ぶんたまったらすぐ現金に替える人の勝率は31.9%、売らずに持ち続ける人は6.6%だった
② 資産が夢の値段に届く時期は同じ。記録から見える主な差は、夢のマスを通る時に現金があるかどうか
③ 相手の遊び方を固定した条件での数字で、必勝法ではない。それでも、同じマスに戻れない現実では、貯めるだけでなく、使いどきに使うことも大事だと考えるきっかけになる

今回は、条件を1つずつ変えて回数を重ね、差が偶然かどうかを幅で判断する、という進め方をしました。データの読み方を順に学べる本として、こちらは「問いを決める→集める→比べて読む」の流れがまとまっていて、わたしも読みました。今回使った「95%の幅で、差が偶然かどうかを見る」考え方も、わたしはこの本で学び、分かりやすいと感じました。データを使って比べてみたくなった方は、ぜひ手に取ってみてください。

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